こんにちは、国分農園の野田です。
5月に入り、真夏のような日も出てきましたね。
体が暑さに慣れていない分、畑や現場で急に大汗をかいてしまい、慌てて水分補給をするようになってきました。
さて、弊社では毎月社内勉強会を行っているのですが、今回は4月に行われた下草の勉強会についてお伝えしたいと思います。
木々の足元を飾る下草は、種類豊富で成長にも個性がある
(下草を植えた瞬間はこのような感じですが…)
個人宅や会社など、植栽を行う際の主役はアオダモやイロハモミジ、ジューンベリーなどの高木が主役です。
施主さまもそういったシンボリックな木々を選ぶことには関心が高いと思います。
ただそれだけでは足元の空間が寂しいものになってしまいます。
そこで登場するのが「下草」です。
下草にも生育の仕方がいくつかあり、まっすぐに伸びるもの、地を這うもの、宿根草(根が地中に残り、花や葉が出たり枯れたりする)のもの、などがあります。
下草を植える際、初心者が陥りやすい間違いとして、その時の大きさや見た目のみで植え位置を決めてしまう、ということがあります。
私が実際に下草を植える際に一番困ったものとして、ギボウシがあります。
ギボウシは多年草で秋~冬にかけて地上部が枯れます。
葉が枯れた後の地上には何も残りませんので、一見すると何もないように見えます。
しかし翌年の初夏になると、上記の写真のような巨大な葉を再び茂らせ、庭の足元空間に緑の演出をしてくれます。
私が入社して初めて現場でギボウシを扱ったのが11月頃でしたので、地上部が全くないポット内の土を植えているだけの状態でした。
その際に他の下草の近くに植えてしまい、その場所では下草同士がぶつかってしまうので間を開けるように、と社長から指摘されたことがあります。
それは私がギボウシの葉が発生した際のサイズを全く理解していなかったからです。
ですので、それぞれの下草の成長後の姿を理解していないと、後日、過密な植栽を作ってしまうことになります。
座学と実際の植付けで下草の事を学ぶ
今回の勉強会では、まず社長より20種類ほどの下草について、それぞれの特性、植え位置や空間的バランス、将来的なサイズ感の講義を聞きました。
日当たり適正の有無や乾燥に強いか、色や形はどんな風になるのか、種類ごとに特性が全く違うのでそれらを覚えるだけでも大変です。
続けて、その中から何種類かを選び、継続して成長を観察するために会社敷地内に実際に植付けをしました。
下の写真が実際に植え付けた下草です。
アガパンサス
アナベル
ギボウシ
カレックス
クリスマスローズ
ツワブキ
シラン
リュウノヒゲ
これらを植付け環境によってどれくらい成長に差が出るか観察するため、日向、日陰、肥料土、ガラ混じりの土、の条件を組み合わせ4か所にそれぞれ同じものを植えました。
日向 ガラ混じりの土
日向 肥料土
日陰 ガラ混じりの土
日陰 肥料土
現状では4か所に変化はありませんが、今後どのように成長が変わっていくのか観察するのが楽しみです。
造園業は木々の成長を想像して庭の配置を考える習慣が大切
ギボウシの件でもそうでしたが、高木、下草問わず、植物は生き物です。
その場の見た目の美しさだけで植栽をしてしまいますと、1年後、2年後に過密な状況、日照や乾燥条件を間違えたことによる発育不良や枯死を招いてしまいます。
少しでも長く、快適な庭をお客さまに楽しんでいただけるよう、我々造園従事者は植物の特徴について学んでいかなければなりません。
所定の位置に無事植えられた、完了です、だけではただの自己満足ですからね。
今回の下草を含めて変化を観察し、それらを自らの知識として身に着けられるよう日々努力していきたいと感じた一日でした。
樹木や植物の成長や変化にご興味ご関心がある方は、弊社の業務が楽しめると思います。
力仕事や外作業など、大変なこともたくさんありますが、面白いなと感じられたならぜひ、ご連絡くださいね。
野田 義紀
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