新入社員の記録 くっさい石灰硫黄合剤を散布する

(この500Lタンクいっぱいに強烈な臭いの硫黄合剤がたっぷり入っています)

こんにちは、国分農園の野田です。

さかのぼること2月の終わりに、強烈な体験をしましたので、ぜひみなさんにご紹介したいと思います。

いやあ、2週間ほど仕事着が強烈な臭いに包まれて、大変でしたので(笑)

 

木々が芽吹く前に害虫や病気を防ぐために大事な作業

(今思えば昨年の殺虫剤散布は楽でした…)

 

新入社員の記録 木を育てるために殺虫剤を散布する

昨夏から秋にかけて、動力噴霧器を用いた殺虫剤や除草剤の散布を行いました。

葉が茂る木々の狭い畝間の中、ホースを引きずりながら作業の作業は中々大変でしたが、数をこなすうちに平然と行えるようになっていたんですね。

なので、今回硫黄を散布します、と言われた時も前と同じ感覚で難なくこなせるだろうと高を括っていたのですが、笑っちゃうぐらい大変な作業でした。

 

理由は至極簡単です。

 

硫黄合剤が、臭いのです。

 

作業自体は変わりないが、付着した液の後処理が大変

 

今回使用したものは「石灰硫黄合剤」といいます。

これを樹木に散布することによって、ダニ、カイガラムシ、アブラムシやうどんこ病などから防除することができる重要なものなんですね。

特にまだ小さな幼木などはそういった虫菌害に弱く、健全な育成を阻害されかねないので春の成長を前に必要な作業です。

 

昨秋以来久しぶりだな、と思いつつ動噴やタンクの準備をし、硫黄合剤をタンクに投入したのですが、まあとにかくくさいくさい!

硫黄泉の温泉には何度か入ったことがあったのですが、もう全然その匂いの比ではありませんでした。

鼻がひん曲がるんじゃないかと思うぐらいの刺激臭で、もうその時点でノックダウン寸前になりましたが、ここからが散布作業本番です。

 

常緑樹であれば葉を含めた幹枝全般、落葉樹でも幹枝を上から下まで散布する、通常の薬液散布と変わらない作業です。

ただし、硫黄合剤は付着した際に液が白化して見た目として残りますので、通行人や自動車にかかったら一大事になります。

ですので、幹線道路沿いで作業する場合は、道路を監視して、通行人がある場合に散布を止めるタイミングを指示する人間を置いて作業をしました。

 

そしてその散布液は当然ながら作業者自身にも降りかかってきます。

 

白化した硫黄合剤にはお酢を使って掃除する

 

硫黄合剤は目や肌に付着すると炎症を起こす恐れがある農薬です。

よって作業者は、上下カッパを着てフードをかぶり、ゴム手袋に防護ゴーグルを装着して作業をします。

2月末でしたが、カッパフル装備で動き回ったので、汗をかきながらの時間になりました。

そして、ゴーグルは液が白化するとあっという間に視界が悪くなり、前が見えなくなるほどの状態になりますので、一つの植木畑が終わるごとに拭き取らなければいけません。

強アルカリ性の硫黄合剤を中和するのに必要なもの、それは酸性の液体なのですが…

 

それは…「お酢」です(笑)

 

ペットボトルに希釈した酢水を作っておいて、硫黄合剤が付いたゴーグルや軽トラック、動噴をとにかくこまめに拭きまくるんですね。

ただでさえ硫黄臭で頭がクラクラしているのに、更に酢水の匂いにつつまれて、自分が酢飯になったんじゃないかって思うぐらい右も左も刺激臭だらけになり、鼻がバカになってしまうほどでした。

ちなみに今回のブログに写真が少ないのは、薬液まみれのゴム手袋を気軽に外せずスマホを持てなかったからです。

(散布初めにスマホケースをぶら下げていたら、あっという間に薬液まみれになり慌てて車内にしまいました)

 

臭くても地道な作業が木々の成長につながる

 

春から夏にかけて、害虫や菌類が活性化する前にこういったひと手間をかけることによって、小さな木々が健やかに成長できる環境を作ることができます。

たとえ作業者が臭い地獄に陥っても、植木生産業には重要な作業なんだなと思った一日でした。

 

ちなみに作業時の服は洗濯しまくっても2週間は硫黄臭が抜けなくて大変だったことをご報告いたします(笑)

 

冗談はさておき、どの仕事もそうですがいわゆるキツイ作業というものはあると思います。

楽しい業務やこういった大変な業務も含めて、木の生産にご興味を持たれた方はぜひ弊社を訪ねてみてくださいね。

一緒に硫黄臭にまみれて汗水たらしてくださる方を、心よりお待ちしております!

 

野田 義紀

 

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